その時々の家族構成、ライフスタイルの変化に伴い、住まいのあり方も時と共に変化します。
お庭も同じように、住まい手のライフステージ、ライフスタイルにより理想の姿は変化します。
一般的に、住宅のリフォームを考えるタイミングは、15年~20年と言われています。まずは、キッチン、ユニットバス等住宅設備の老朽化、修繕などで住宅リフォームを考えるタイミングがきます。そして、結婚して、子どもが生まれるタイミングで一戸建てを建てて、子どもの成長や巣立ち等、家族構成の変化、ライフステージの変化に伴い、住まいの在り方を見直し、住宅リフォームに取り組む方が多いようです。
一方、外構リフォームはどうでしょうか。これまでは、外構リフォームというと住宅リフォームと同じように「子どもが車を持つようになったので駐車場をもう一台増やしたい」、「親がお庭を綺麗に手入れしてきたが、年をとり難しくなったのでメンテナンスフリーにしたい」といった家族構成の変化やお庭のメンテナンスに関することがきっかけで、リフォームを検討する方が多かったです。
しかしながら近年、弊社でも驚くほど増えているのが、築浅での外構リフォーム、お庭のリフォームです。
・新築時に予算がないからとあまり考えないで外構工事をしてしまい後悔している。
・予算重視で外構工事をしたが、帰宅するたびにうちって普通だなと落ち込む。
・家も外構もシンプルすぎてしまった。外構でもっとカッコよくしたい。
そんな理由から、外構リフォーム、お庭のリフォームのご相談に来られる方が増えてきています。新築時は建物で手いっぱいになり、労力も費用も続かずハウスメーカーの言うがままに工事をして、結果後悔している方も少なくないようです。中には築2.3年で全面駐車場の改修をされる方が増えてきています。お庭のリフォームは、住宅リフォームとは異なり、解体・撤去費等の費用がかかるため、新しくつくる時よりもコスト高になるケースが多いので、後悔しないお庭づくりがますます重要になってきています。
外構・エクステリアは、建物の前に出てくる、お家の印象を決定づける大事な空間です。これから外構工事をご検討の方は、慌てずに、ゆっくり外構プランを練っていただけたらなと思います。
この記事では、築浅でお庭をリフォームしたケースを、きっかけ、リフォームした箇所など、大きく3つに分けてご紹介します。それぞれ、激変したリフォーム事例をご紹介しながら、最後に後悔しないポイントをまとめます。
①カーポート設置を機に全面リフォームでお家全体がグレードアップ
②アプローチの改修を機に建物が映えるように駐車場を全面リフォーム
③お庭に目隠し設置を機にファサードを大変身させお家全体を格上げ
それぞれ、激変したリフォーム事例をご紹介しながら、最後に後悔しないお庭づくりのポイントをまとめます。
①カーポート設置を機に全面リフォームでお家全体がグレードアップ
新築後、数年たってからカーポートの設置をご検討されるお客様は少なくありません。最初は不要だと思っていても、後々から欲しくなる場合もあるでしょう。カーポートが必要ないと思っていても、カーポートが設置できるようにプランニングしておくことが大事です。
北海道、札幌市の場合、物置も1.5坪ほどの大きなサイズが主流で、建物の前に出てくる場合も多いです。物置の配置も、カーポートの配置とともに検討しておくことが大事です。
【事例①-1】西区 M様邸
空中の立体感で建物を引き立てる外構リフォーム
リフォームの大きなきっかけは、カーポートの設置でした。
その他にも、次のような外構に関するお悩みがたくさんありました。
・角地だから人の通り抜けが気になる。
・建物のデザインがシンプルすぎたので外構でカッコよくしたい。
・歩道の電柱が邪魔で家が綺麗に見えない。
・カーポートを設置するなら2台分がいいが入らないのでは?
・物置の配置が玄関前なのが気になる。物置の移動ってできるのかな?
細かくご相談した上で、最終的にはおもいきった全面改修をご決断いただきました。
具体的な工事内容は、
①物置の移設
②土留めの撤去
③アスファルト舗装の撤去
④カーポートの設置
⑤土間コンクリート
⑥ブロック積
⑦アルミフレームの設置
⑧植栽・割栗石・人工芝。
①~③は撤去費用の部分。最初の工事費と2つ重ねてコストがかかった部分です。⑥⑦⑧は、グレードアップ要素の工事で、プラスコストのかかる部分ですが、お施主様にはその効果を3Dパースなどでご納得して頂いて全面改修をご決意いただき、完成後、家に帰るのが楽しくなったと大満足していただきました。
詳しくは、施工事例のページをご覧ください。
https://www.morizouen.co.jp/gallery/4023/
【事例①-2】中央区 N様邸
特注カーポートで除雪知らず~アスファルト舗装の駐車場を全面リフォーム~
新築時にハウスメーカーで駐車場工事をお済だったN様邸。お庭を弊社で工事させていただいた数年後、駐車場工事もご依頼いただきました。リフォームの大きなきっかけは、カーポートの設置。
その他、次のような外構に関するお悩み、ご要望がありました。
・既存の駐車場は、ストレートなインターロッキング舗装のアプローチとアスファルト舗装
・どこにでもあるような外構で普通過ぎて見栄えがしない。
・外壁がブラックなので、アスファルト舗装だと暗い感じがする。
・出来るだけ除雪しなくて済むように、駐車場全面にカーポートをつけたい。
・カーポート柱の部分のアスファルトがつぎはぎになるのはあまり好きじゃない。
最初から全面改修をご予定してたN様邸。
具体的な工事内容は、
①インターロッキング舗装の撤去
②アスファルト舗装の撤去
③特注カーポートの設置
④土間コンクリート
⑤インターロッキング舗装
⑥ライティング
①②は撤去費用の部分。最初の工事費と2つ重ねてコストがかかった部分です。③④⑤⑥は、グレードアップ要素の工事でプラスコストのかかる部分ですが、もともと外構のグレードアップをお望みのお施主様でしたので、新商品のご提案も加えていただき、満足いただける仕上がりになりました。
詳しくは、施工事例のページをご覧ください。
https://www.morizouen.co.jp/gallery/3006/
②アプローチの改修を機に建物が映えるように駐車場を全面リフォーム
アプローチは、お家のエントランスの大事な部分です。北海道、札幌市においては、残念ながらポーチ階段から直線でまっすぐのラインでインターロッキング舗装にしておけばおしゃれだろうというような、単調なものがこれまで一般的でした。インターロッキング舗装のコストは、アスファルト舗装、土間コンクリートより高価な仕上げです。コストのかかる材料を使ったからといって、おしゃれな空間になるわけではありません。せっかくコストを掛けているのに、デザイン性がなく、単一的になってしまうのは、とても残念です。
既存のアプローチが使いづらかったり、デザインしっくり来ずに、リフォームをすることになった事例を見てみましょう。
【事例②-2】江別市 T様邸
アプローチの改修をきっかけに大規模リフォーム~敷地をフレームで区切る~
新築時にハウスメーカーからの紹介の工事屋さんに、とりあえずアプローチ工事を依頼して工事済みだったT様邸。工事の仕上がりやプランに納得がいかず、既存のアプローチをつくり直すことをご決意されました。
それ以外に、次のようなお悩みがありました。
・建物前面のスペースが、駐車場5台以上という広い敷地で、どのようにしたらいいかわからない。
・駐車場は3台で充分なのであまったところはどうしたらいい?
・建物前を全部舗装にしてしまうと、殺風景になってしまう。
・どんな外構が家に合うのかわからなくなってきた。
・スタイリッシュな雰囲気に、少しナチュラルさも入れていきたい。
弊社から、広い間口を最大限活かしたプラン提案や、敷地の余裕を修景的に活かしたプランを気に入っていただき、アプローチも含めて、外構全体も工事をすることになりました。
具体的な工事内容は、
①既存インターロッキング舗装の撤去
②アプローチの土間コンクリート・インターロッキング
③駐車場のアスファルト舗装
④敷地を区切るアルミフレームの設置
⑤樹木・割栗石・ライティング
①は撤去費用の部分。④⑤は、グレードアップ要素の工事でプラスコストのかかる部分です。④のフレームとカーポートの設置と、どちらを優先するか、悩まれてましたが、カーポートは、あとからでも設置できるプランだったので、今回はお家全体の印象を大きく左右する、フレームを優先して工事していただきました。ずっと悩んでいた建物の前の広い空間が、カッコよく完成し、家全体がより大きく、立派に見えるようになったと、お客様にも大満足いただきました。
https://www.morizouen.co.jp/gallery/4019/
③お庭に目隠し設置を機にファサードを大変身させお家全体を格上げ
お庭のご要望で多いのが目隠しです。せっかくお庭をつくっても、道路から、お隣からの視線が気になりゆっくりくつろげない、お庭に出れないといったお悩みが非常に多いです。目隠しは、個々人の感覚の差が非常に大きく、特に家にいる時間が長い女性の方が、気にされる方が多いように見受けます。人の視線が気になるかどうか、あらかじめご家族でご相談しておくといいでしょう。
また、目隠しは、外からの視線を遮ると同時に、自分テイストで囲う、装飾的な役割も大きいです。室内からお庭を見た時に、お隣の壁を見るのか、自分好みのフェンスや塀がみえるのかは大きな違いです。自分テイストの目隠しをつくると、窓のカーテンも開ける頻度も増えてきて、視覚的に生活空間が広がります。おうち時間をよりリラックスして過ごせるでしょう。
そして、特に道路側の目隠しの重要な役割が、お家のファサード(正面)デザインに大きく関わってくるところです。目隠しの高さ、デザインと合わせて、敷地全体で考えることがとても大事です。目隠しの設置は、お家のイメージをより良いものにする絶好のチャンスです。敷地全体を俯瞰して見て、目隠しだけが唐突にならないように連続性や一体感を意識してプラン建てすると、お家全体が引き立つようなファサードに大変身できます。
それでは、具体的な施工事例を見てみましょう。
【事例③-1】豊平区 M様邸
かっこいい目隠しで~お家を格上げリフォーム~
新築時に外構工事もお庭工事も工事済みだったM様邸。お庭はつくっても、道路からの丸見えでお庭に出ずらいのがお悩みでした。
その他、次のような外構に関するお悩みがありました。
・もっとお庭でBBQとかを楽しみたいが、日差しが強くてながくお庭で過ごせない。
・道路側の目隠し
・お隣側は窓はないけれども自分ちテイストでつくった方が落ち着くかな?
・庭の反対側が角地で畑にしているが、人がはいってきたりしてなんとなく落ち着かない。
・工事済みの駐車場(タイヤ部分だけコンクリート平板で周りがアスファルト)の不陸が気になる。 施工不良ではないか?と疑心暗鬼になっている。
最後にあるように、特に新築時に行った他社での工事が納得いってなかったM様。弊社のモデルガーデンでいろいろな商品やライティングをご覧になられて、「あえて予算は気にせずに、最初はおもいっきり提案して下さい」というリクエストをいただきました。
具体的な工事内容は、
①アルミ縦格子の立体的目隠し
②シェードの設置
③隣地側の樹脂フェンス
④カーポートと連続性のあるアルミフレーム
⑤角地のアルミフレームオブジェ
⑥植栽・ライティング
今回の工事では、撤去工事は人工芝の一部くらいでほぼありませんでしたが、電気の配線は工夫が必要でした。②シェードの設置はある程度の高さが必要なので、隣地側にもアルミフレームを設けています。④⑤は、敷地全体のバランスを見て、弊社からご提案した部分で、プラスコストのかかる部分でしたが、お家全体がグレードアップするフレームの効果に大いに賛同していただき、実現しました。工事前から、他のお客様をご紹介いただくなど、提案段階から大変ワクワクして下さり、完成後も大喜びしていただきました。
残念ながら、工事済みの駐車場(タイヤ部分だけコンクリート平板で周りがアスファルト)の不陸は、駐車場全面を舗装しなおさないと解決できないので、今回は工事は見送りとなりました。コストを抑えるために、コンクリート平板とアスファルト舗装の組み合わせてつくられている駐車場をよく見ますが、本来構造が違うものなので、段差が生じるのは仕方のない部分です。工事を決める際にはコスト面だけでなく、デメリットの部分の説明もよく聞いておくことが大切です。
詳しくは、施工事例のページをご覧ください。
https://www.morizouen.co.jp/gallery/3660/
いろんな事例を見て頂きましたが、最後に「後悔しないお庭づくりのポイント」をまとめます。
「後悔しないお庭づくりのポイント」
①お家にとっての外構の価値を考える。
コストをできるだけ抑えて最低限の工事を希望するか、お家の風格とバランスの取れた外構を希望するかの方向性によって、自分に合った会社も異なってきます。
②ハウスメーカーの予算を間にうけない。
「ハウスメーカーさんに外構予算は150万見て置けば大丈夫ですよといわれたが、まったく足りなかった」と、よく耳にします。ハウスメーカーさんは建物の専門家で、お庭づくりの専門家ではありませんので、一般的な外構工事しかしりません。外構工事の予算は、大きく舗装面積と必要な構造物(カーポート、塀、フェンス、ウッドデッキ等)によって変わってきます。また、お家を引き立てるようなプランなどもあまり知らない場合もあります。①の外構への考え方で大きく予算は変わってくることを理解しておくことが重要です。
③なんとなく工事をしてしまわない。
特に築浅でリフォームするケースが近年増えてきています。
「外構工事のことまであまり考える余裕がなく、なんとなく工事をしてしまった」
「予算がないからとあきらめて、あまり外構について考えなかった」
「外構やお庭でこんなことができることをしらなかった」
こんなお客様の声をよく耳にします。建物の打合せでエネルギーが尽きて、外構プランを考える余裕がなくなってしまうお客様も多いようです。そんな時は、慌てて工事をしないことをお勧めします。
一度工事をしたところを撤去してつくりなおすのが、一番勿体ないからです。
④将来像・マスタープランを描いておく。
建築と異なり、お庭づくりは段階的な整備も可能です。当時はコスト的に余裕がなくても、お庭の夢、理想の住まいを家族で共有することで、暮らしのモチベーションにもつながります。弊社では、近年、物置の移設工事も増えています。物置配置ひとつにしても、大きさやどこに配置するか、外構やお庭のプランニングの大事な要素です。今すぐ工事しなくても配置を考えて置いた方がいいでしょう。また、一緒にした方がいい工事と、あとからでもコストが変わらない工事がありますので、予算面も含め長期的な視野でコンサルティングしてくれる会社を選びましょう。弊社でも、数年ごとに工事を進められるお客様も少なくありません。土地がある限り、一生土のままで放置するわけにはいきません。一緒にお庭への夢を描け、長くお付き合いできる会社選びも大切です。